- HOME
- 院長だより
平成7年、阪神大震災の年に開院。この間、医療状況は大きく変化しました。整形外科開業医の私にとってもその変化を大きく感じております。
診断の向上
近年、MRI、CT(3次元CTetc・・)、エコー等の普及により整形外科分野においてもより詳しい診断が可能となってきました。しかしそれには読影が不可欠です。今日、MRIにおいても多くの専門書が発刊され読影術は整いつつあります。読影の専門でもある放射線科の医師との連絡を密に取り、より読影に努力しております。
治療における進歩
整形外科領域で取り扱う疾患の治療においても進歩、変化が見られます。特に関節リウマチのそれは大きなものが有り、早期診断、早期治療による関節リウマチの十分なコントロール、そして関節破壊の予防をも目指す方向となっています。
新しい種々の抗リウマチ薬、生物学的製剤の出現により、十分な症状のコントロール、緩解さえも可能となりつつあります。ただ、これら新薬には重大な副作用を起こす事がまれながらあり、その様な事が生じた場合に対処できる病院との密な連携が欠かせません。
新しい情報の取得、緊密な病院との連携の構築等、一開業医としてより良い対応ができる様、努力しております。
高齢化に伴う骨粗しょう症による骨折が社会的問題となりつつあります。骨粗しょう治療薬の選択、運動療法による骨折予防の指導、骨折時の治療、病院への紹介も含めた対応を計っております。
依然、基本的には変わらない分野も有ります。
運動器の変性疾患、特に加齢による変化です。これに起因する頸部、胸腰背部痛、四肢関節痛、特に膝、肩関節痛等々をかかえる患者さんの割合は依然多く、これらへの対応は依然大きな問題となっています。基本的にはこれらに対する治療法は変わっていません。加齢による体の退行変化、運動機能の低下、慢性的疼痛を完全に取り去る事は困難です。ただ、疼痛のコントロール、運動機能の維持は、本人の努力が得られれば可能です。生活指導、リハビリテーション、薬剤の使用、そして最終的手段としての手術的加療等々です。
より良い生活を送れる様、支援する事が大きな務めと思っております。
リハビリテーション
近年、高齢化とともにますますリハビリテーションの需要が増大しています。当院では運動器リハビリテーションが主ですが、より丁寧なリハビリテーションを目指しております。
病診連携
一整形外科開業医として重要な事の一つは、手術的治療が必要か否か、より詳しい検査を必要とするか否かを見極める事です。最近では整形外科分野においても専門化が進み、ある程度の規模の病院では多くの整形外科の医師を擁し、各専門分野に分かれての診療がおこなわれています。例えば、脊椎、手、足、肘関節、肩関節、人工関節、関節リウマチ等々です。病診連携により、その専門分野の医師への手術依頼、意見の拝聴等がよりスムーズにおこなわれる様になってきました。
病院との連携をより密にし、より良い紹介がおこなわれます様、努力しております。
今後もスタッフ一同、地域医療に大きく貢献できますよう、頑張っていく所存です。